この本を知ったのは、あえかさん主催の「はてな読書会」の7月の課題図書の1つになっていたからです。
もうがっつり8月になってしまっているので、恐縮しつつも、感想などかいてみたいとおもいます。
この本を読みたいと思った理由
あまり読書好きではない私がこの本を手に取ったのは、「ほめない」育児というワードに惹かれたからです。
というのも、2歳8ヶ月の長女がほめるとやる気を失うのが、少し前から気がかりでした。
例えば、おまるでおしっこできた時に「すっごーい!」とほめたらおまるに寄りつかなくなったり。
お絵かきしていて「じょうず~!」と言われれば、急にしな~っとなって、「ママ書いて~」となったり。
私のほめ方が悪いのかな、と思っていた矢先、この本の「ほめない」というワードを目にして、
ほめ方が悪いんじゃなくて、ほめないのが正解なのか?と衝撃が走りまして。
「叱らない」については実践したいけど(私が感情的になってしまうので)出来ていない、という感じなのですが、
「ほめない」は実践しようとさえ思ったことが無かったので、読んでみたいなと思いました。
ほめられてやる気をなくす理由
P73に書いてあった例が、そのまま長女に当てはまりそうだと思ったので引用します。
あなたはある日家族のためにごちそうを用意しました。
夫が「お、えらいね。やればできるじゃない。これからもがんばってくれよ」と言ったらあなたはどう感じますか?
「私は能力がある」「夫は私の仲間だ」と感じ、また作ろうと思いますか?
なんだかバカにされたみたいで、次から作る気をなくしてしまうかもしれませんね。
(中略)
「えらいね」「やればできるじゃない」というのは、上から下へ向けられた評価の言葉なのです。
つまり、長女は、
「すっご~い」「えら~い」とおおげさにほめられるたびに
「上から評価された」「バカにされた」と思ってやる気が削がれたのかもしれません。
「ほめる」ではなく「勇気づけ」を
本書によれば、ほめる叱る(賞罰)ではなく、子どもを勇気づけましょうとのこと。
上の例はごちそうを作ったとき「ほめる」パターンですが同じ場面で、「勇気づけ」になるパターンも紹介されています。
「オッ、おいしそうだねぇ。こんなの作るの大変だったでしょう?ありがとう」と言ったらあなたはどう感じますか?「私は能力がある」「夫は私の仲間だ」と感じ、また作ろうと思うのではないでしょうか?
p73より引用
なるほど、確かに、こちらの方が嬉しい気はする・・・
「勇気づけ」は「私は能力のある人間だ」「人々(家族・親)は私の仲間だ」と伝えることのようです。
具体的な言葉がけとしては「ありがとう」「助かったよ」「大変だったでしょう(のような、過程に対する労い)」
といったところでしょうか。
支配する親から援助する親へ
じゃあ、今日から「すごい!」「上手!」の代わりに、「ありがとう」「助かった」を言えばいいのかというと
そう単純な問題ではなさそう。
本書には
子どもを支配する親ではなく援助して勇気づける親になる
p73 )
というワードが何度も出てきます。
うわべの言葉だけ変えても、子どもを支配したいという意識でいては、
下心ありありで逆に嫌味っぽくなってしまう気がする…(←私です。どうしても演技、セリフみたいになってしまう。)
小手先のテクニックの前に
子どもを支配(コントロール)する親ではなく、
援助し協力して一緒に暮らしていく親になろうという意識改革が必要そうです。
支配ではなく協力・・・と聞くと難しそうですが、
要するに、大人と接するのと同じ様に、同僚に接するように、子供とつき合っていけばいいみたい。
同僚に、「すっごーい!じょうず~!」パチパチ~!!なんて、やらないですもんね。
大人同士より平易な言葉遣いにしたり、「私はあなたの味方だよ」と意識して伝える必要はありますが。
育児だからと特別に考えずに、数ある人間関係のひとつと考えるのがいいのかも。
勇気づけのアンテナを広く持つ
p47「子どもの適切な行動を意識的に探しましょう」を読んで感じたこと。
子どもへの支配欲の表れなのか、
私は親の思惑通りにいったことだけを大げさに拾いがちです。
例えば、トイレトレーニングを進めたいな~と思ってるときにおまるで成功した!、とか。
他の子が文字の練習してるのを見て焦ってるる矢先に、ひらがな読めた!とか。
親の思惑とは違うベクトルでも、よい行いをしている場面はたくさんあるはず。
そういうのを拾って、さり気なく勇気づけるのが大事なのかなと思いました。
「~したらどうなると思う?」が通じるのは5歳から
本題からはそれるのですが、
「子どもの発達に応じた勇気づけを」というコラムが今悩んでいたことにドンピシャで参考になりました。
年齢別にどういう勇気づけをしたらよいかが書いてあるのですが、一部を引用します。
友達ができたら【おおよそ5歳~】
(中略)
この時期も、予測する力が十分ではありません。
「宿題やっていないとどんなことが起こる?」と聞くと
「学校で叱られる」とか「宿題がたまる」などと言って考え始めるでしょう。
5歳までは、言語力は巧みになるが記憶や予測の力はまだ未熟。
そのため、「問いかけて考えさせる」というのは高度な技で、
「怒らないで何度でも教えてあげる」というスタンスでいいみたいです。
実は、2歳8か月の長女がよくないことをしたとき、「~したらどうなる?」系の質問をよくしていました。
(「人がたくさんいるところで走ったらどうなる?」とか「妹に乱暴したらどうなる?」とか)
ですが返事はかえってこないし、ヘラヘラされて、余計にイライラ。
結局私がクドクド説教しているだけになってしまってました。
そうか、5歳まではわからないのか。
と、本に書いてあったことで、安心したというか腑に落ちました。
おとぎ話の世界に生きていると思って、怒らないで何度でも教えよう、と思いました。
5歳までは、言語力は巧みになるが記憶や予測の力はまだ未熟。
そのため、怒らないで何度でも教えてあげるのがよいそうです。
***
「3歳からの~」ということで、2歳8カ月&0歳10カ月の我が家には少し早いかなと思うところもありましたが(家族会議をしよう、とか)
私の知りたかった
「ほめない」ってどういうこと?
「勇気づけ」ってどういうこと?
というのは、3歳未満の子でも実践しやすく書いてあったのでよかったです。
要所要所で、幼稚園児&小学生の兄妹のいる家庭の事例がマンガ風に散りばめられていて、読書が得意でない私でもさらっと読めました。