育児系のまとめサイトで「設定にモヤモヤする」とかいてあった
「あさえとちいさいいもうと」
偶然図書館で見つけたので借りてみました。
あらすじ☟
お母さんの留守に妹のあやちゃんと家の前で遊んでいたあさえは、あやちゃんを喜ばせようと夢中で道に絵を描いていました。ところが顔をあげると、いつのまにか、あやちゃんがいなくなっています。あさえは妹をさがして、どきどきしながら、いつもお母さんといく公園に向かって走りました。小さな子どもの心の動きを、文と絵が一体となって緊迫感をもって描きだします。
引用:Amazon商品紹介ページより
ネタばれしますと、ラストであさえは、あやちゃんが公園で遊んでいるところを無事見つけます。
5歳と2歳(推定)を置いて出かけるお母さん
どこが問題なのかというと、お母さんがあさえ(推定5歳)あやちゃん(推定2歳)を置いて「ちょっと銀行に行ってくるわね」と出かけてしまうところです。
このご時世だと、2歳と5歳で留守番ってちょっと物議を醸すと思います。
いくら下の子が昼寝してるとはいえ。
しかも、上の子は冒頭から1人で外遊びしてるし。
ややもすると放置、ネグレクトなどと言われかねない…かも。
でも、それはこの絵本の論点ではなく。
論じる必要すらない当たり前の風景なのだ。
この本の刊行は1979年。今から40年前は、2歳と5歳で留守番も普通だったんだろうなぁ…と、思うとそんなゆるーい時代がうらやましくもあったり。
だって、「ちょっと銀行行くだけだから…」ってお母さんの気持ち痛いほどわかるんですもの。連れてったら、銀行行くだけなのに寄り道やらおねだりやらで1時間も2時間もかかっちゃうもんねぇ・・・・
だけど、やっぱり子供だけを置いて行ったらこんなに危険があるんだ。
「こんな小さい子を置いていくなんて…ヒソヒソ」って言われちゃうから…じゃなくて、
子どもたちの身の安全のために、自分自身が後悔しない為に、今はまだ手を離しちゃいけない。
そう気を引き締めさせられる絵本でした。
***
他にも、通りすがりのおじさんが自分の子供を日常的に殴っていることをにおわせてきたりと、時代が違うなぁと思わされる部分がちょいちょいありますが。
優しいタッチながらリアルで迫力のある絵に、
大人も子供もグイグイ引き込まれて何度でも読みたくなります。
今夜の寝かしつけでも5回ほどリクエストがありました。
あやちゃんが見つかるまで何人か人違いをしたりして結構時間がかかりますが、
絵があさえの目線(子供の低い目線)で描かれており、とってもハラハラドキドキします。子供にとって塀ってこんなに高いんだ、夢中で遊んでいるとこんなに視野が狭くなるんだ・・・・と大人にも新たな気づきがあります。
子どもたちにとっては、外は危険がいっぱいだよという啓蒙になったかな?
「だから、お外ではちゃんとママと一緒にいてね。」と言ったら、
長女は笑顔で「ママも銀行行ってきていいよ(^▽^)/」と言われましたが(;'∀')
続編の「いもうとのにゅういん」も気になる・・・・
「あさえとちいさいいもうと」も収録されている「こどものとも傑作集」がとても面白そうな絵本ばかり・・・・今度からコレの中から選んで借りるようにしてみようかな
こどものとも 創刊60周年|「こどものとも」全作品|HMV&BOOKS online