主婦のわたくしごと

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「仕方なく」の仮面をかぶって専業主婦になった私

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やっと長女が昼寝した・・・

 

さて、先週「専業主婦は2億円損をする」という本がよく読ませていただいているいくつかのブログで紹介されていました。

1/9まで無料で読めるということだったので、怖いもの見たさで読んでみました。

「うーん、まぁそうだよね~。でも、もう私専業主婦になっちゃったからどうしようもないよね~」っていう感想でした。

でも、もし、この本を専業主婦になる前に読んでいたとしても、やっぱり同じ道を選んでいたと思うのです。

 

 

会社を辞めてからもうすぐ3年になります。

新卒で入って、そこそこ長く勤めた会社でした。

夫の転勤についていくために退職しました。

転勤先ではパートか派遣など残業のあまりなさそうな働き口を探そうと思っていましたが、

退職の直後に長女を妊娠したことがわかり、そのまま再就職することなく専業主婦に…という感じです。

 

周りの人には「夫の転勤さえなければ、ずっと勤めていたかった」「仕方なくやめる」と言っていました。

でも本音では「一度会社を辞めて、ひと休みしたい」と思っていました。

 

他にも「激務の夫を支えたい」とか「自分の母親も幼いころは専業主婦だったので子供が小さいうちは専業主婦かな、という漠然とした感覚」とか、こまごまとした理由はいろいろあったのですが。

圧倒的にメインの理由としては、「一度会社を辞めて、ひと休みしたい」です…

 

向上心のない奴、ひと休みだなんて世の中舐めてる、って思われたくなかったので、表向きは「仕方なくやめた」ことにしていました。

今でも、これだから専業主婦は・・・って思われたくないので、聞かれれば「仕方なくやめた」ことにしています。

 

ちなみに会社はブラック企業でも何でもありません。

むしろホワイトというか、残業しないで早く帰りなさいよと(口だけですが(笑))言ってくれる会社でした。

ワーキングマザーの先輩もたくさんいました。

実は辞めてから10年は再雇用してくれる制度があり、今でも社内報などまめに送ってきてくれたりします。そのくらい女性の活躍(?)に理解がある会社です。

 

 でも、その時の私のこころは辞めたいくらい疲れていた。

 

一つには仕事へのやりがいというか…やってる意味がよくわからなくなってきたから。

メーカーの開発職だったのですが、製品サイクルの非常に速い業界で、一生懸命作っても数日で販売終了なんてこともザラにあり。

さらには他社の方が品質がいいと買い叩かれ。

私が開発しなくても世の中誰も困らないよな~、と仕事への社会的意義を見出せなくなり、仕事するのが虚しくなってしまいました。

そこでもっといいもの作ってやろう!と発奮するべきだったんでしょうが、

「だったらもう他社のやつ使ってもらえばいいやん」って思ってしまった。

圧倒的に愛社精神が足りなかった。

他社に代わってもらえる仕事より、家庭を優先したいと思ってしまった。

 

 

もう一つは、ワーキングマザーの生きにくさを間近で見て、自分にはできないと思ったから。

ちょうど自分が入社したころ、先輩方の産休・育休ラッシュで。

小さいお子さんを持つ先輩社員がたくさんいる中で働いてきました。

会社自体はワーキングマザー推進の雰囲気でしたが、一部の上司は前時代的というか、ワーキングマザー推進の世の中だと理解はしていても、納得していないのが表情ににじみ出ていて。

子どもの熱で早退と言えば、露骨に嫌な顔をしたり。

私が残業していると「○○さん(時短している先輩)みたいなのがいるから、かねごんさんが残業しなきゃいけなくなるんだよなぁ」と上司に言われたり。

 

そして、そんな上司に反発心を抱きつつも、どこかワーママ先輩の分の仕事を肩代わりさせられていると思ってしまっている自分もおり。

実際大した仕事を肩代わりしているわけじゃないんです。朝の当番とか、夜の締め作業とか。

先輩たちもできた人ばかりで、「やってもらって当然」なんて態度はみじんもなく、都度「ありがとう」「ごめんね」と言ってくれていたのに

理解のある後輩を演じつつ、心の中では「肩代わりさせられてる」みたいに思ってしまう自分が嫌でした。

 

そんなことくらいで「やってやってる」って思う自分はワーママになってはいけないと思いました。

 

だって、これで自分がワーママになったら、後輩に「やってやってる」って思われても文句言えないわけです。

そう思われながら働くのが耐えられないと思いました。

 

 そのぐらいで、耐えられないとか軟弱すぎるって自分でも思うんですけど、耐えられないものは耐えられないんです。

2億円のチケットを捨てること、

もう一生かけても正社員には戻れないかもしれないこと、

迷惑かけたくないからって辞めても、辞めた時点で私の育成にかかった費用が無駄になって結局社会的な損失になっていること、

など、頭ではよーくよーくわかっていましたが、やっぱり感覚的に無理なものは無理というのが私の結論でした。

世の中的には馬鹿な選択だったんでしょうけど、気持ち的に無理なものを、損得勘定だけで40年間勤めあげるのはやはり無理だと思います、今でも。

 

世の中には本当に仕方なく専業主婦になった方も多いと思います。

また、本当に家庭のことを考えて専業主婦になった方もたくさんおられると思います。

なので、どうかこれだから専業主婦は~なんて、私のケースだけを見て思わないでいただきたいのですが…

 

でも、私は「仕方なく」という仮面をかぶって、「一休みしたい」というヘタレな理由で会社を辞め、専業主婦になりました。というカミングアウトでした。

 


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