おかえりモネにはまっています。
ざっくりとこんな感じのドラマ。
宮城・気仙沼湾沖の島で育ち登米で青春を過ごしたヒロインが、魅力と可能性を感じることができた天気予報を通じて人々の役に立ちたいと気象予報士を目指して上京し、やがて故郷の島へ戻り予報士としての能力を活かして地域に貢献する姿を描く。
Wikipediaより引用
最初は夫の付き合いで見ているだけでしたが、今は私の方がハマっていそいそとリアタイ視聴するほど(笑)
正直、中盤(登米編)まではありがちな展開で面白くないなと思っていたのですが、気象予報士になったモネが上京したあたりからがぜん面白くなってきました。
ドラマ自体はあと1カ月ほど続きますが、「おかえりモネ」の魅力を語らせて下さい。
痛みを「経験しなかった」という痛み
主人公のモネは、震災当日たまたま受験の為に実家の島を離れていて津波の被害にあわずに済みます。
一見ラッキーにも思えるけれど、その後モネは津波を経験しなかったことで、津波被害を目の当たりにした友人・家族の気持ちに寄り添えない、わかってあげられないと苦しみます。
モネ以外にも、東京での同僚の莉子ちゃんも、「辛い経験をせずにハッピーに生きてきてしまったから、自分には専門性や人望がない」と悩んだりします。
辛いことは無いに越したことないはずだけど、苦労した人の方が偉いみたいな風潮もあるし、私自身も自分の恵まれていた環境を振り返って「恵まれていたからこんな甘い人間になっちゃったのかな」と思う時もある。
辛い経験を乗り越える、という通り一遍のストーリーではないところに、辛い経験をした人もそうじゃない人も共感できる何かがある。
震災の描かれ方が新しい
気仙沼が舞台だから、震災がテーマかと思いきや、震災当日のことはおぼろげにしか描かれず。
最初はどうしてこんなモヤっとした感じなんだろう?と思っていたが、
時間を追うごとになんとなくわかってくる。
震災は被災した当事者同士であっても触れにくいことなのだ。
津波で家も家族も失った亮、津波を見たけど家も家族も無事だった他の友達、津波を見ていないモネ・・・・皆「被災者」だけど、失ったものや経験したことが違うとうかつに震災のことを語り合えない雰囲気がそこにはある。
実際、モネら幼馴染同士が震災の話をしたのは震災から4~5年(もっと?)経ってからのこと。モネの家族が震災について正面切って話しているシーンは私の記憶ではまだないと思う。
忘れられないけど、お互いを思うと触れにくい話題だからこそ、震災のことは断片的におぼろげに描かれているのかなと納得できた。
震災をテーマにした番組にありがちな「明るく前向きに」「震災を忘れないで」「花は咲く~♪」みたいな雰囲気に違和感を感じていたので、モネで描かれている震災観の方がどちらかというと現実に近いのかもしれないと思いました。
地元をはなれた後ろめたさが刺さる
私は、実家のある故郷から遠く離れて暮らしています。
夫は転勤あるし、もう地元に戻ることはないだろうと思います。
自分で決めた道だけど、親や地元に残った兄弟への後ろめたさがいつもあります。
自分だけ好き勝手暮らして申し訳ないと。
だからモネの地元を離れてることに対する申し訳なさみたいなのが、共感と言うかすごく刺さります。
地元が被災地でなく家業のないサラリーマン家庭の私でさえ後ろめたさを抱えているのに、モネの抱えてるそれは相当なものだろうなと。
と、同時にスーちゃん(モネの幼馴染で東京暮らし)の「なんで地元で頑張ってるのだけが偉いみたいになるの?」という発言にもそうだよなって思ったり。
姉妹の難しさ
モネと、地元に残った妹の未知との関係性が。これがもう、ま~ややこしくて。
地元を離れるVS地元に残る。だけならまだしも、モネに片想いしている亮に未知が片想いしているという。一方通行三角関係がさらに姉妹仲を複雑にしている。
でも実際、恋愛が絡まなかったとしても姉妹って難しいですよね。
うちの母が2人姉妹、私自身も2人姉妹、うちの長女と次女も(弟居るけど)2人姉妹。
こどもから大人までいろんな姉妹が身近に結構いるのだけれど、
幼いころから仲良くありたいけど負けたくなかったりライバルだったり…大人になればそれぞれの環境の違いもあいまって余計に複雑な関係になってるような。
未知の「お姉ちゃんは津波みてないもんね」って言葉をモネがめちゃくちゃ引きずっているの、傍から見たら妹の小さな発言引きずり過ぎだろ!とも思うのですが。
私はちょっとわかるな~って思っちゃう。
私も数年前に妹から「子どもを甘やかしすぎ!」って言われたの、いまだに引きずってますもの(笑)男兄弟だったらもっとドライだったのかな~。
モネと未知。先週はモネが実家に戻ると決意表明したことで、一見和解したようにも思えたけど、まだまだ何かありそうな予感もする…
菅波先生の存在
いろいろ書いてきたけど、後半ドラマが面白くなってきたのは半分以上菅波先生との恋愛要素であると思う。
もうこれは、「♯俺たちの菅波」で検索して下さい。
坂口健太郎の不器用可愛らしいところがたまりません。
特にいつだったかの、敬語から急に「どうしたの?」とため口になるシーンが至高である。
個人的には、数年前の朝ドラ「とと姉ちゃん」で常子と結ばれなかった坂口健太郎が、今回はモネとちゃんとお付き合いできててとても嬉しい(笑)
落ち着いたら結婚してね。
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というわけで、菅波先生のキュン要素はもちろんのこと、震災観・姉妹観・地元を離れた人の思いなど、いろいろなとこで共感できたり新たな気付きもあったりなドラマです。
震災の経験有無にかかわらず、姉妹がいる方、地元を離れた方には共感できるところがきっとあると思います。
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おかえりモネの見逃し配信
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